1位 考古学
意外に思う方も多いと思いますが、日本史学専攻のなかで一番募集が多いのは考古学分野となっています。
これはなぜかというと建造物を新規に建設したり、土木工事を実施する前に下に遺跡などの埋蔵文化財が埋まっていないかどうか確認したり、工事中に遺物が発見されれば発掘調査をしなければなりません。
当然工期が伸びれば建設会社に負担がかかりますので、人材を集中的に投入して短期間で調査を行う必要があるからです。
例えば平成24(2012)年には東京都新宿区新宿区加賀町2丁目のマンションの建設予定地から縄文人の遺骨が出土しました。都心の一等地で縄文人の遺骨が出るなんて驚きですね。
【参考】
新宿縄文人の人骨発見から2年余り、一般公開へ-新宿歴史博物館
(市ヶ谷経済新聞2015年3月26日の記事)
https://ichigaya.keizai.biz/headline/2117/
こうした事例は各地でありますので、考古学専攻の人材は不足がちです。
募集を見ていると考古学の募集は頻繁に出ていますし、給与も他の専攻よりも高く設定されています。
2位 近世史・近代
近世史は大名家がメインテーマの博物館や郷土博物館での需要があります。また文書館では古文書も取り扱っていますので、近世・近代史の募集は考古学に次いでよく見かけます。
業界全体としては古文書解読ができる人材が不足していますので、書簡もすらすら読めるレベルだと重宝されると思います。
3位 中世
中世は近世・近代と比べて史料が少ないせいかやや募集が少ないように感じられます。近世・近代が専門を絞った募集があるのに対して、中世は単独の募集がなく「学芸員(中世・近世)」と近世史専攻と競合になることが多いです。
ランク外 古代史はあまり募集がない
古代史の募集はほとんど見たことがありません。
ですが専攻を絞らず年齢と学芸員資格のみを要件にしている募集もありますので自分の専攻にこだわらないのであれば学芸員になることは可能だと思います。こうした募集は規模の小さい自治体に多いように感じます。
一度本当に専攻は問わないのか問い合わせたところ、学芸員資格さえあれば、歴史・民俗、自然・科学、美術とどの分野でも構わないということでした。
まとめ
考古学は引くて数多、近世•近代はそこそこ募集あり、中世はややきつい、古代史は専門を生かすことは難しいが、専門を問わない「学芸員」であればなることは可能。
コメント