【習慣で次に差がつく】学芸員採用試験の振り返り方

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就職活動シーズンに入り、学芸員志望のみなさんも募集情報をチェックしたり願書を出したりと動きはじめていることかと思います。
※この記事は2022年3月に公開しました。

学芸員は一般行政職と違って、どの自治体・財団も毎年募集を出すわけではなく、欠員補充で募集が出る場合が多いです。そのため、交通費や宿泊費といった費用と相談しながら、片っ端から受けられる試験を受けていくことになります。

わたしのようにこのような生活を2年も続けてしまうと、なかなか自分の使いたいようにお金を使えなくなりますし、キャリアのスタートも遅くなってしまいます。

どうせ高いお金を払って受験するのですから、例え試験に落ちてしまったとしても次につながる振り返りをしたいところです。

そこで、今回は学芸員の採用試験の振り返り方について、どんなことを記録に残しておくと良いかを中心にお話したいと思います。

1.受験者数と受験者層

まず、筆記試験が終わったら受験者数と受験者の層を記録してください

受験者数を記録しておくと、自分が二次試験の集団討論や個人面接に進んだときに、筆記試験で何人中の上位に入ることができたかが分かります。

自信になるのはもちろんですが、会場の周りの様子と照らし合わせて分かったのは、意外と学芸員の職種をついでに受けている人が多いということです。

というのも、公務員を目指す資格学校のテキストを持っている人が会場に多くいたため、市販のテキストだけで勉強していた自分としてはこの人たちに勝てるのか心配になりましたが、結局そういう人たちは次の試験にはいませんでした。

おそらく、専門試験の筆記で学芸員志望と大きな差がついているのだと思います。

また、都道府県と市町村の試験とでは受験者数に大きな差があります。例えば、某県の筆記試験では35人も受験者がいた一方で、市の試験ではおおむね10人程度のことが多かったです。

次に受験者層になりますが、年代と人数を記録しておきましょう。先程例に挙げた、某県の試験では35人中30代以上が10人以上いました。市の試験では自分と近い20代の人がほとんどでした。

ここから何が分かるかというと、都道府県の募集になるとさらなる活躍の場を求めて財政規模の大きな自治体を受験する、現役の学芸員が多く受けるということです。この気づきからわたしは現役の経験豊富な学芸員さんとの競合を避けて、市町村を集中して受けることで内定をもらうことができました

受験者数と受験者層の記録が蓄積できると、募集要項を見たときにこの規模の自治体でいい博物館があるから受験者数はこれくらいで、自分の競合となる人数はこれくらいかなと予測して、戦略を立てられるようになります。

2.筆記試験の問題

筆記試験が終わったらすぐに問題と自分の解答を書き留めてください。

わたしが受験した試験を総合すると、筆記試験は以下の問題が多く出題されました。それぞれ振り返りで気づいた点、対策に活かした点等お話したいと思います。

あくまで、私が受験した自治体の範囲での話ですので、専門が違えば傾向も異なると思います。ここで得た情報を元に自分の専門の出題傾向を掴んでみてください。

①日本史の問題(通史・概説書レベル)
②地域の歴史の問題
③資料保存など学芸業務を遂行するのに必要な知識の問題
(文献史学であれば古文書解読や史料解釈も含む)

①の日本史の知識を問う問題は、正直に言って出題範囲が広く、完答は極めて難しいと判断して②と③に集中して時間を投じることにしました。

②の地域の歴史の問題は、大きな藩があった自治体では藩政に関する問題が多かったり、偉人がいたりすれば出題を予測できますが、それ以外はなかなか絞り込みが最初は難しいです。

ですが、何回か受験するうちに自治体史や○○県の歴史シリーズ(山川出版社)を読んでここが出題されそうだなと勘どころを掴むことができるようになります。

わたしは募集要項が出たら、まず自治体のホームページで簡単にその地域の歴史について調べて、その上で自治体史や○○県の歴史シリーズを使って予想問題を作って対策をしていました。

慣れてくるとかなり的中率が高く、内定をもらえるイメージがぐっと近づいてきますよ。

予想問題の解答も一言一句覚えるというよりも、重要なキーワード(人名・地名など)について理解を深めておくことで、多少違う角度からの出題方向だったとしても柔軟に対応することができます。

さらに的中率を高めるには、事前に博物館で常設展示の章立を観てください。

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