☑️学芸員資格を取得するにはどうすればいいのか?履修科目や実習について解説

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Q:史学科に入学した大学1年生です。史学科で取得できる資格として学芸員資格がありますが、どういった資格なのでしょうか?また取得するためには何をすれば良いのでしょうか?

A:学芸員資格は博物館で学芸員として勤務するのに必要な国家資格です。一度取得すれば更新の必要はありません。所属している大学で所定の科目を全て履修すれば学芸員資格を取得できます。

今回の記事では学芸員資格とは何か?学芸員資格を取得するにはどうすればよいのか?をテーマに履修科目と実習までの流れについてお話ししたいと思います。

履修科目

学芸員資格取得に必要な科目一覧

生涯学習概論     2単位
博物館概論      2単位
博物館経営論     2単位
博物館資料論     2単位
博物館資料保存論   2単位
博物館展示論     2単位
博物館教育論     2単位
博物館情報•メディア論  2単位
博物館実習      3単位

文化庁のリンク:
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bijutsukan_hakubutsukan/shinko/about/gakugeiin/1409686.html

文化庁指定の上記の表の9科目19単位を取得すると学芸員資格を取得できます。

大学によって講義の名称や単位数が若干異なる場合があります。

それでは明治大学を例に入学時からどのように履修していくのか確認しましょう。

明治大学では9科目21単位の取得が学芸員養成課程の修了要件となっています。表にある通り2年次から履修できる科目もありますので、その年次ごとに履修できるようになった科目をコツコツと取得していくのが理想的です。

また、わたしの出身大学もそうでしたが入学直後に学芸員資格科目を受講する学生向けのガイダンスがありますので必ず出席してください

大学によっては受講生数を限るために面接試験を行う場合もあります。

次に法政大学の場合です。法政大学の場合は明治大学よりも多い、28単位の取得が必要となってきます。博物館実習の単位数が多い点と選択科目が多い点が異なります。

一見大きな差にみえますが、選択必修科目は史学科の学生であれば積極的に受講する科目ですし、卒業要件単位とも重複していますから負担感はそこまで差はないように思います。

このように学芸員資格を取得するには履修単位数が多く、「博物館実習」を4年次に履修するためには、例えば明治大学の場合は「博物館学概論」「博物館資料論」「博物館展示論」「博物館教育論」の4科目を3年終了時点で取得していなければならないなどの条件もありますから、よく自分の所属する大学の修了要件を確認するようにしてください。

博物館実習

実習先の探し方

3年終了時点で定められた科目を取得していると、4年生開始時に博物館実習のガイダンスがあります。このガイダンスで実習先の探し方や大学に届いている実習生受け入れの案内が来ている博物館のリストが配布されます。

博物館実習の申し込みの注意点⚠️として、ガイダンスでも大学職員の方からもお話がありましたが、実習先の併願はしてはならないという点です。

博物館側としては忙しい業務の合間を縫って実習生のために時間を作っているので、受け入れを許可したのにも関わらず学生側からやっぱりいいですとなると次年度からその大学から受け入れNGとなってしまいます。

博物館によってもまちまちですが、電話📞のみで申し込みが済む場合と、志望動機や作文など書類選考がある場合とがあります。

実習の概要

実習の日数は文化庁のガイドラインで5日間以上と定められています。

ですがこの5日間以上というのは最低ラインであって、同ガイドラインの館園実習の計画例では10日間で設定されており、より充実した実習を実現するためにさらに長くても良いとされています。

私の場合は地元の歴史博物館で実習をさせていただいたのですが、期間は12日間でした。資格が取得できればよいという考えの人は期間が短い博物館でもよいと思いますが、本気で学芸員を目指すのであれば期間が長く、実習のスケジューリングが細かく設定されている館を選ぶとよいと思います。

参考として千葉県立関宿博物館の実習スケジュールを挙げました。8日間のカリキュラムですが、きちんとスケジューリングがされていて博物館運営について一通り体験できるように組まれています。

まとめ

◯1・2年次に履修できる科目はその年次ごとにコツコツ単位を取得しておく。
◯博物館実習を履修するために必要な単位がある。4年次だけで挽回できない詰みパターンがある。
◯実習先は自分で探す。併願はNG。
◯実習先はきちんとカリキュラムを組んでやってもらえるところを選ぶ。
→作業だけして終わる館もなかにはあるので注意⚠️が必要。

 

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